さあ、6月に入りました。少し今まで学んで来たことを振り返りながら、今回から映像をジャンル別に見ていきたいと思います。
まずはこのCMから、
「カロリーメイト」新CM「見せてやれ、底力。」編 CM、メーキング映像
製作時間2,623時間、総枚数6,328枚、総勢34 人の美大生たちによる動く黒板アートアニメーション
私たちは映像をどのようにして映像として捉えているのだろうか?
それには「映像が”絵が動く”ということ」から始まっている事を説明しなければなりません。もっと言ってしまえば、映像は「人間の視覚の特性や原理」を理解した上で作り出された”モノ”であるという事です。つまり、人間が肉眼で見ている事象を何らかの手段で記録、定着、保存することが映像である、という概念から始まっているのです。
ソーマトロープ(Thaumatrope)
ソーマトロープは表裏に絵を書いてカゴの中に鳥が居るように見えるものです。人間の目の特性のひとつ、残像効果を利用したものと言えます。
フェナキスティスコープ(Phenakistoscope)
1831年ベルギーのジョゼフ・プラトーとオーストリアの Simon von Stampfer がほぼ同時に発明。回転する円板に絵が順に描かれており、コマとコマの間にスリットがあります。この円板を回転させ、絵を鏡に映し、動くスリットから透かして見ることができます。
SOUR『life is music』
ゾートロープ(Zoetrope)
側面に縦にスリットの入った円筒形の内側の面に個々の静止画が描かれており、連続写真のように並んでいる。この円筒を回転させ、スリットから反対側の内側を透かして見ます。
トクマルシューゴ – Decorate
Magic lanternマジック・ランタン
マジック・ランタンショーと呼ばれた幻灯機での上映会が17世紀から18世紀にかけて流行した。これは、ライブ、ドラマ、喜劇などを語りとともに上映する劇場の原型であった。現代で言うところのスチル写真によるスライド上映のようなものだった。
エドワード・マイブリッジ
1878年、マイブリッジが写真機を12台並べ、馬の走り「ギャロップ」を連続写真として撮影し、これが動画としての映画の原理の最初かもしれません。その意味でマイブリッジの果たした役目は重要です。スタンフォード大学の創設者でカリフォルニア州知事のリーランド・スタンフォードとの酒の席での賭けにより、彼は、12台のスチルカメラを使って、同時に地面から離れていることを証明している。この「ギャロップする馬」の連続写真を見たエジソンが後に映写機の原型でもあるキネトグラフ、そしてキネトスコープを発明しすることとなります。
映画のはじまり
映画がいつどこで始まったのか、という問いに答えるのは非常に難しい。その理由は映画そのものの定義を明確にしないとその創始をどこにすれば良いかも定まらないからである。それでは映画の定義とともにその創始を辿ってみたいと思います。
映画はMotion Pictureと呼ばれるように動く写真と捉えることができます。その意味で映画の始まりはエジソンの発明した「キネトスコープ」とする人もいます。
しかも数年の間にアメリカとヨーロッパで立上がった映画館ブームも映画を定義づける重要な意味を持っています。それでは映画の創始を見ていくことにしましょう。
トーマス・エジソン
1891年に撮影用カメラ「キネトグラフ」と映写機「キネトスコープ」を発明
エジソンが発明した「キネトスコープ」は、一人ずつ覗き込んで映像を楽しむと言うものでした。しかも自分の弟子のウィリアム・ディックソンの発明だったとされています。
1894年にはキネトスコープ・パーラーという映画館が作られました。
映画スタジオ「Black Maria」の設立
1893年には、ウエスト・オレンジ研究所の敷地内にアメリカ初の映画スタジオ「ブラック・マリア(Edison’s Black Maria)」を設立し、ウィリアム・ディックソン、ウィリアム・ハイセを監督に、キネトスコープ用の白黒フィルムを制作し始めました。
エジソンは、トーマス・アーマットの映写機を使って、翌1896年4月に、ニューヨークのコスター・アンド・バイアル・ミュージックホールで映画の上映を行いました。
(エジソンの最初の映画)
このホール跡地には、有名なメーシーズ・デパートが建てられ、34丁目に面した壁面に、トーマス・A・エジソンの名前と共に「HERE THE MOTION PICTURE BEGAN」(映画発祥の地)と刻印されたプレートが掲げられている。1901年にはマンハッタンに、1907年にはブロンクスに新しい映画スタジオ(Edison Manufacturing Company、のちにThomas A. Edison, Incと改名)を開き、約1200本のフィルムを制作しました。
ルイ・ル・プランス
1888年10月14日に撮影した作品が「ラウンドヘイの庭の場面」であり、世界初の映画
単レンズカメラを使い世界初の映画を撮影した発明家である。「映画の父」とも呼ばれている。
リュミエール兄弟による映写機の発明
その後、1895年にリュミエール兄弟が開発した「シネマトグラフ」は、現在の映画のようにスクリーンに映像を投影する仕組みになっており、一度に複数の観客が同時に見ることが出来るものでした。1895年12月28日パリのグラン・カフェの地下でスクリーンに投射する方式のシネマトグラフの一般上映を行ないました。これは世界で初めて映画を大衆の面前で、入場料を徴収して上映したものです。
(当時の映画上映のポスター)
(グラン・カフェの外観)
(当時のフィルム映写機)
(上映の様子)
シネマトグラフィー Cinematography
(from Greek “κίνημα”kinema“movements” and γράφειν, graphein “to record”)
シネマトグラフィーはギリシア語のkinēmatosキネマトス(動き)とgrapheinグラペイン(描く)の合成語で、これ以降映画はシネマ、あるいはシネマトグラフィーと呼ばれるようになります。
世界最初の映画の上映(1895) リュミエール兄弟 「工場の出口」「列車の到着」など
ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(1787年-1851年)。
舞台装置家として出発し、パノラマ画家となり、1822年にジオラマを発明した。その成果を基に、1839年に銀板写真を発表、彼の名前を採って、「ダゲレオタイプ」と呼ばれました。
イーストマン・コダック社が携帯型の写真機を発売します。
1902年、人類史上はじめての、ストーリーというきちんとした概念を持った映画「月世界旅行」秒間16フレーム、14分
ニッケル・オデオン常設映画劇場
1902年、4年間で全米の大都市に1万軒の劇場が作られた。
1903年、初めてストーリーのある映画『あるアメリカ消防夫の生活』『大列車強盗』などが公開されました。監督をしたのはエジソン社の社員エドウィン・S・ポーターでした。
『大列車強盗』”The Great Train Robbery”(1903)
何が驚くかと言うと最後に観客に向かって銃を撃つところが面白いですね。
VFXとは何?
と言うことを話していきたいと思います。
まず最初は、この映像から見せたいと思います。
NEW ZACH KING 2018, Best Magic Show Latest of ZACH KING Amazing !!! Funny Vines
Zach King という米L.A.在住の青年が23歳の時にVineという6秒動画サイトでトリック映像を投稿し始めました。これが話題となり、フリーの映像作家に。この中にいわゆるVFXのトリック映像のエッセンスがいっぱい詰まっていると思います。
VFXとは何?
VFXとは Visual Effects 視覚効果のことです。
最近は、映画、TV−CM、ドラマなどでも当たり前に使われるようになってきました。VFXのない映像を探す方が大変だと言われるくらいに日常の映像の中に入り込んでいると思います。
SFXとは Special Effects 特殊効果のことです。
VFXとSFXは何が違うのでしょうか?
VFXの歴史は?いつ頃から始まったのでしょうか?
そんな事を学んでいきましょう!
ではVFXの歴史を6分にまとめた映像を見せます。
VFXの歴史を年表にしてみました(拡大してスクロールして下さい)
SFXからCG、VFXの流れを掴んでもらえたらと思います
『Gravity ゼログラビティ』(2013)Breakdown
VFXの先駆者のひとりジョン・ノール
実は皆さんも使っているAdobe Photoshopの最初の開発メンバーのひとりでもあります。
“Knoll Light Factory” というAfter Effectsのエフェクトプラグインも彼の発案です。
Knoll Light Factory プラグイン
このあいだのWWDC2017でも登場しました。38:10:00あたりで登場します。
決して華やかな話だけではありません。2013年VFXスタジオの老舗リズムアンドヒューズはアカデミー視覚効果賞を取ったなんとその11日後に倒産してしまいました。現在は規模を縮小して制作を続けています。
Life After Pie リズムアンドヒューズの倒産後のドキュメンタリー
中国のVFX事情
中国はすごい勢いでコンテンツ市場が伸びています。CGやVFX業界も盛んです。ハリウッドILMとの戦略的業務提携を結んだBASE FXもその一つです。
BASE FX
最後にVFXのBreakdownを大量に掲載しているサイトをご紹介しましょう。
ART OF VFX
国内唯一のデジタルサイネージ展示イベント
デジタルサイネージジャパン2018
2017.6.13(水)〜15(金) 幕張メッセ
街に氾濫するサイネージ。その最新動向をその目で見てみよう!
同時開催のInterropではVR関連の展示もあります。
国内最大のVR機器展示イベント
3D & バーチャルリアリティ 展
2017.6.20(水)〜22(金) 東京ビッグサイト
来週は、小テストをやります。時間は15分。今まで話してきたことから出題します。