さあて、
今日はVRの話の続きをしていきます。
前回は360度パノラマの話を中心にしました。
『2016年 VR元年』
スマホの普及や安価なHMD、開発キットの出現
VRが身近になった
今日はそれ以外のいろんなVR、AR、MRを紹介します。
VRとは何?
VRとは”仮想現実”や”人工現実感”などと訳されています。注意しなければならないのは、VRが ”Real=現実”に対して対局をなす言葉ではないということです。つまり現実に対して非現実、ありえない、存在しない、という位置づけではなく、あくまでも現実に近づいた、あるいは現実に似せたもの、というのがVRだということです。擬似現実、擬似体験(体感)現実とでも言い換えると分かりやすいかもしれません。
VRの起源とは?
技術的な原点としては1968年にサザーランド(E&S)が発表したHDM(head-mounted Three Dimentional Display)があります。しかし、VRという言葉はまだありませんでした。
実際にVRが生まれたのは、それから20年後になります。1989年、VPLリサーチ社のVRシステムRB2(Reality Built for Two)とデータグローブの組み合わせたものです。この時初めてVRシステムという言葉が使われました。今で言うとHMD(Head Mount Display)とコントローラーの組み合わせですね。
映像の世界でコンピュータが作り出す映像技術の中でひとつのスクリーンに限らない複数の画面による映像環境が作られました。マルチスクリーンです。VRの初期には360度やパノラマという概念はありませんでした。あったのは、高視野角や多面スクリーンといった視野角が広いという概念でした。
VR・AR・MRの違いとは?
VR以外にもARやMRという言葉も脚光を浴びました。実際のAR、MRというのはVRと何が違うのでしょうか?
AR Augmented Reality 拡張現実 という世界
ARはひと昔前はQRコードやシートのような記号コードをカメラにかざすとその位置に何かCG画像やVR的なモノ(3DCG)を配置することを指していました。
ARマーカーとは位置や情報を記したものでQRコード、文字、記号、絵、写真などが使われています。
2009年以降 スマホの普及によりスマホ上でARを実現するアプリがたくさん出現しました。
AR3兄弟というARを開発するユニットグループも出現 一世を風靡した
情熱大陸にも出演
2008年にサンフランシスコで開催されたTechCrunch50でデビューし、一世を風靡した”セカイカメラ”が、2014年年頭にサービスを終了。ある意味でのARのブームが過ぎたのかもしれない。
これもまた典型的なARの技術です。床に置かれたQRコードの位置情報からそこに恐竜を出現させるというもの
ナショナルジオグラフィックス キャンペーン
8_Live AR National Geographic Campaign_mp4_480 from Dilussion on Vimeo.
みなさんも一度はやったことがある『Snow』(韓国2015-)もARと言ってもいいと思います。また、『Pokémon Go』も今やARの代表格です。ARの技術は画像認識、印刷技術とも組み合わせられています。
「ポケモンGO Pokémon GO」
「布袋寅泰 新体感ライブ」
NTTぷららが2018年3月に限定販売したアプリ
「アプリレスAR」
オムニバス・ジャパン(編集ポスプロ会社)
アプリを使わず、ブラウザーだけでARを実現
任意のQRコードをカメラで読み取るとウェブブラウザを経由してカメラが起動。ARマーカーで映し出すとプログラムした映像が出現
Sky View 天体観測アプリ
GPSと動きに連動して、しかも星だけを映せるので屋外で実際の空に重ねて見ることができる
iOS、Android版
AirMeasure
拡張現実測定キット
World Brush
AR機能を利用して、現実空間に絵が描けるペイントツール。被写体に絵をかいて、そこで記念撮影ができる。
『Just a Line』
Googleは、空間へ落書きができるスマートフォン用アプリ『Just a Line』のこれまでのAndroid版に加え、iOS版の提供を始まった。さらに、複数のスマートフォンで落書きを共有して描く新機能も搭載した。
実はVRよりARの方が普及しているし人気
VRはまだまだ一般に降りてくるには少し時間がかかりそう。でもARはスマホで手軽に出来るという点ではもう日常に入り込んできている。
MR Mixed Reality 複合現実
新しい技術としてMRという言葉が生まれました。ARとMRは非常に紛らわしいものです。実際に何が違うのでしょうか?
これは言葉の定義を考えるというよりも派生している過程を考えるのが正しいと思います。
ARは何等かカメラデバイスによって捉えた現実(実写)に対してVRの要素を拡張して見せているものです。上に挙げた例はすべて体験者が見てるものではなく、カメラデバイスを持ったスマホやカメラで映しだされたスクリーンに合成されたものを見ています。
それに対してMRは体験者はあくまで現実を実際に見た中にグラスやハーフミラー越しにVRを見ています。つまり視覚で捉えた現実にVRを重ね合わせて見ていることになります。
VRは仮想空間、ARやMRは現実空間がベース
ARはカメラ越しに現実を見て、その空間の中にヴァーチャルを映し出す
MRは人間が見ている現実にヴァーチャルを映し出す
Microsoft HoloLens ホロレンズ
MR(Mixed Reality)のVRゴーグル PC内臓のため、PCとの取り回しがない
視野角40度(狭い)
アレックス・キップマン: ホログラム時代の未来にあるもの TED Talk
Magic Leap
Googleなどが出資する謎の会社
今までとは一線を画すMRゴーグルを開発?
MRライトフィールド(Mixed Reality lightfield)
空間の中にVRを合成する?フォーカスを合わせる VR酔いがない
Magic Leap One
2018年中に発売が発表
HMD最新動向
HTC VIVE
台湾製 PCが別途必要 赤外線カメラによる最大 3m x 4m の空間移動が可能
ヴァーチャルYouTuberなどにも利用されている
https://www.vive.com/jp/
VIVE PRO
解像度 2880×1600 視野角110度 音質の向上
vimeoがVRに対応
Oculus GO
2018年5月発売 23,800円〜 PC一体型
IDEALENS
中国製 PC内臓一体型
IDEALENS K1 2015年7月〜販売開始
2016年 K2発売
2018年〜IDEALENS K3 4K/PRO
解像度、視野角の向上120度
VRジャパン
StarVR
台湾製 5Kの高解像度の実現と210度の広視野角 PCが別途必要
セガ 新宿歌舞伎町内に2017年末にオープンしたSEGA VR AREA SHINJUKUに設置
映画館でVRコンテンツ上映も始まっています。 新宿バルト9