2017年のテーマ 『Synchronicityシンクロニシティ』
シンクロニシティとは、心理学者ユングの提唱する『無意識の一致』、『偶然の一致』のことです。
この映画企画は4つの物語のオムニバスで構成されます。オムニバス映画は、一見バラバラな主人公たちが、無意識のうちに交錯し、接触する中で偶然にも何かを見出していくエピソードを上映方式4画面同時進行という形で表現していくものです。
4つの画面にそれぞれ4つの主人公、4つの物語が進行します。時には、2画面でひとつの会話が、あるところでは一画面だけで物語が進行する。冒頭とラストは4画面でひとつのドラマが進行し最後は4画面分の横長画面がひとつになって終了します。
(注) 本来であれば、ここに4人の主人公、4つの物語を4画面にて上映するはずでしたが、諸般の事情により、当日はそのうちの3つの物語をそれぞれ単独上映することとなりました。
2018プロジェクト最終報告映像
「TAKUYA しょうじき」
拓也は映画研究会で映画を作っている。だが、どこか引っ込み思案なところがある。
言いたいことを切り出せない拓也。撮影はそのまま進んでしまう。撮影のラッシュ
試写で礼二先輩に呼ばれ、どうしてちゃんと演出をしないのかと問われる。拓也は
言い出せない悩みを打ち明ける。
「RYOUTA せきにん」
良太は居酒屋でバイトをしている。明るく客への対応もいいのだが、店長はもう少し
仕事に対しての自覚を持ってほしいと思っている。そんな時、売り上げの一万円が
足りなくなり、その時の万札チェックを怠った良太を店長は責任を果たせと言う。
良太はその責任の意味があまり分からない。帰り道、路上ライブをする幸恵に出会う。
その純粋な歌声に惹かれ、いつしか話をするようになる。
「REIJI ふー」
大学四年生の岡本礼二は就職活動をしているものの、全敗しており、就活に対して
悩みを持っている。礼二自身テレビ業界に進みたいと考えているものの、母から猛
反対を受けてしまい、就活に対して身に入らない。そんな時、いつも通っている喫茶
店のマスターに悩みを相談すると、礼二がやりたいと考えていたことが見えてくる。
「YOKO がむしゃら」
瑤子は文学部に通う普通の大学4年生。就職を決める時期にきて、なんとなく趣味
で始めていた写真から広告業界に行きたいと父親に相談するのだが、まったく相手に
されず、意気消沈してしまう。ある日、瑤子は午後の授業が休講でいつもより早めに
帰宅につく。電車の吊革につかまり何気なく車窓の外に目をやると、母校である高校
の杉の木が目に入る。たまには行ってみようと、母校を訪ねてみる。そこでかつて自分
がやっていたバスケ部の練習に出会う。