マルメ 講義2018 第09回(6/16)

前回の小テストはどうでしたか?
全体の統計が取れたのでお知らせしておきます。
平均 21.6点 です。得点分布は次の通りです。

今日はVRの話をします。
2016年は『VR元年』と呼ばれ、VRに注目が集まりました。実際にVRのどこが元年だったのでしょうか?
幾つか検証を交えて話をしていきたいと思います。

そもそもVRはいつ、どこから始まったのでしょうか?

VRの起源
VRの概念
VRから派生したもの

ゴールドマンサックスAR/VR市場の今後の予測

VRとは何?

VRとは”仮想現実”や”人工現実感”などと訳されています。注意しなければならないのは、VRが ”Real=現実”に対して対局をなす言葉ではないということです。つまり現実に対して非現実、ありえない、存在しない、という位置づけではなく、あくまでも現実に近づいた、あるいは現実に似せたもの、というのがVRだということです。擬似現実、擬似体験(体感)現実とでも言い換えると分かりやすいかもしれません。

VRの起源とは?

技術的な原点としては1968年にサザーランド(E&S)が発表したHDM(head-mounted Three Dimentional Display)があります。しかし、VRという言葉はまだありませんでした。実際にVRが生まれたのは、1989年のVPLリサーチ社のVRシステムRB2(Reality Built for Two)とデータグローブです。この時初めてVRシステムという言葉が使われました。今で言うとHMD(Head Mount Display)とコントローラーの組み合わせですね。

映像の世界でコンピュータが作り出す映像技術の中でひとつのスクリーンに限らない複数の画面による映像環境が作られました。マルチスクリーンです。VRの初期には360度やパノラマという概念はありませんでした。あったのは、高視野角や多面スクリーンといった視野角が広いという概念でした。

VR・AR・MRの違いとは?

VR以外にもARやMRという言葉も脚光を浴びました。実際のAR、MRというのはVRと何が違うのでしょうか?

AR Augmented Reality 拡張現実 という世界

ARはひと昔前はQRコードやシートのような記号コードをカメラにかざすとその位置に何かCG画像やVR的なモノ(3DCG)を配置することを指していました。

QRコード ARマーカー
2009年 スマホの普及

2008年にサンフランシスコで開催されたTechCrunch50でデビューし、一世を風靡した”セカイカメラ”が、2014年年頭にサービスを終了。ある意味でのARのブームが過ぎたのかもしれない。

これもまた典型的なARの技術です。床に置かれたQRコードの位置情報からそこに恐竜を出現させるというもの

ナショナルジオグラフィックス キャンペーン
8_Live AR National Geographic Campaign_mp4_480 from Dilussion on Vimeo.

みなさんも一度はやったことがある『Snow』(韓国2015-)もARと言ってもいいと思います。また、『Pokémon Go』も今やARの代表格です。ARの技術は画像認識、印刷技術とも組み合わせられています。

「ポケモンGO Pokémon GO」

「布袋寅泰 新体感ライブ」
NTTぷららが2018年3月に限定販売したアプリ

「アプリレスAR」
オムニバス・ジャパン
アプリを使わず、ブラウザーだけでARを実現
任意のQRコードをカメラで読み取るとウェブブラウザを経由してカメラが起動。ARマーカーで映し出すとプログラムした映像が出現

Sky View 天体観測アプリ
GPSと動きに連動して、しかも星だけを映せるので屋外で実際の空に重ねて見ることができる
iOS、Android版

AirMeasure
拡張現実測定キット

World Brush
AR機能を利用して、現実空間に絵が描けるペイントツール。被写体に絵をかいて、そこで記念撮影ができる。

実はVRよりARの方が普及しているし人気

VRはまだまだ一般に降りてくるには少し時間がかかりそう。でもARはスマホで手軽に出来るという点ではもう日常に入り込んできている。

MR Mixed Reality 複合現実

新しい技術としてMRという言葉が生まれました。ARとMRは非常に紛らわしいものです。実際に何が違うのでしょうか?
これは言葉の定義を考えるというよりも派生している過程を考えるのが正しいと思います。
ARは何等かカメラデバイスによって捉えた現実(実写)に対してVRの要素を拡張して見せているものです。上に挙げた例はすべて体験者が見てるものではなく、カメラデバイスを持ったスマホやカメラで映しだされたスクリーンに合成されたものを見ています。
それに対してMRは体験者はあくまで現実を実際に見た中にグラスやハーフミラー越しにVRを見ています。つまり視覚で捉えた現実にVRを重ね合わせて見ていることになります。

HMD最新動向

Oculus GO
2018年5月発売 23,800円〜

IDEALENS
中国製 PC内臓一体型
IDEALENS K1 2015年7月〜販売開始
2018年〜IDEALENS K3 4K/PRO
解像度、視野角の向上120度
VRジャパン