川崎日進町に行ってきました(4/21)

去る4月21日、川崎市にある日進町という場所に行ってきました。これは川崎市の商工会議所民泊研究会の打ち合わせにお招きいただいたもので、古い街の活性化や新しいリノベーションを考える視察に同行させていただきました。

川崎区日進町は川崎駅から京急線でひとつめの八丁畷駅に近い場所です。昔は京浜コンビナートの労働者達の仮住まいとして簡易宿泊所が30軒ほど立ち並ぶ、いわゆるドヤ街として栄えたエリアです。日進町の歴史としては、昭和20年代後半に全国から日雇い労働者が京浜工業地帯に集まってき他のが最初です。この街に集まってきた理由は、江戸時代から宿場街として賑わっており、また立地が、港町の横浜と首都東京の中継地であったためであると考えられます。このようにして集まってきた日雇い労働者たちが泊まる施設は当時の日進町にはまだありませんでした。そのため彼らは野宿をしていました。昭和28年頃になると、当時東京で簡易宿泊所を経営していた人々が次第に日進町に移り、経営するようになっていきました。しかし、経済成長が一段落し、バブル崩壊以降、工場等は撤退してしまい、日雇い労働者が働ける場所がなくなってしまいました。その後、安い値段で泊まれる宿ということで、年金取得者や生活保護者が泊まるようになっていったのが歴史です。

近年は労働者の街から生活保護受給者の街へ変わり、2年前の2015年5月に火事で2軒が全焼、死傷者を出してしまいました。その後の調査で建築基準法違反(三階以上の宿泊施設は鉄筋コンクリートにしなければならない)が多くみられ、改善するように行政からの勧告、指導などが出されてはいるが、各施設の費用面の問題などからほとんど改善には至っていない。現在の簡易宿泊所は厳しい状況に置かれているようです。

一泊1600円からの簡易宿泊所

宿泊所はどこも一泊1600円から2000円くらいの値段でテレビ付などの看板が目立ちます。宿泊所は元々三階までの構造で一棟あたり30〜50部屋くらいありました。現在は三階部分の部屋を潰し、二階部分までで営業しています。