8月21日から25日まで台湾で『ASIAGRAPH Reallusion Award2016』が行なわれました。
48時間耐久CGライブコンテスト
『ASIAGRAPH Reallusion Award2016』はiCloneというCG作成ソフトを使って48時間でひとつのCGアニメーションを制作するライブコンテストです。言わばCGの耐久レースみたいなものです。今年で4年目を迎えるこの大会は、台湾、中国、インドネシア、タイ、日本、マレーシアなどの国が参加しています。日本とインドネシアで事前に予選大会が行われました。日本では5月にデジタルハリウッドで開催され、全国の大学や専門学校が参加し、結果名古屋のトライデントコンピュータ専門学校と専修大学ネットワーク情報学部、我がデジキャン!の2チームが選出されました。
予選大会の模様はこちら
http://senshu-net.digital-campus.info/?p=444
台湾での本選大会に招聘
本選に選ばれたチームは台湾への渡航、宿泊、食事などすべてケアされます。我々は本選に向けて大学に泊まり込んでの模擬合宿などを行いました。
今年の会場は台北市にある実践大学
毎年開催地は変わります。今年は台北市内にある実践大学で行われました。台北の中心地から北に地下鉄MTRで20分ほど駅から徒歩7,8分の好立地にある8000人ほどの私立大学です。
台湾にはコンテストの前々日にはいりました。
コンテスト会場と休憩レセプションルームの様子
演習室に3D部門(大学、専門学校)と2D部門(高校生)の25チームが入っているので少し狭いです。そこで持ち込んだPCのセットアップを行いました。
私たちはネット情報学部らしく、ローカルのHUBとNASを持ち込み、セッティングしました。
今年からコンテストの前日に交流会やセミナーが行われ、チーム同士の親交や少し鋭気を養う余裕が作れました。
午後はiCloneを中心にPrevizやTipsセミナー。みんな熱心に聞いています。
さて、一夜明けてコンテスト当日です。早目の朝食をお弁当で済ませた後、大学で一番広いホールへ移動しました。そこで予選を勝ち抜いたファイナリスト3D部門大学専門学校20チーム、2D部門高等学校5チーム、計25チームの表彰が行われました。この本選に来るまでにもう既に100チーム以上の中から選抜されているわけですから、名誉なことです。日本の2チーム、トライデントコンピュータ専門学校Bounce Ballチームと我々専修大学デジキャン!のBig High Seaチームも表彰を受けました。
トライデントコンピュータ専門学校チーム
専修大学チーム
コンテストスタート、お題は『HERO』
いよいよ、コンテストの始まりです。主催者である台湾Reallusion社副社長クリストファー氏がコンテストのテーマを発表します。今年のテーマは『HERO』です。コンテスト会場に移動し、コンテスト開始のカウントダウンが始まります。
これから48時間掛けた闘いの幕開けです。勿論他の国や他の学校のチームすべてがライバルであり、敵でもあります。でも、一番の敵は自分の中にいるのではないでしょうか?問われるのはメッセージやストーリー性、演出力だけではありません。疲れや睡魔と闘い、チームメイト間のコミュニケーション力、スケジュール管理などさまざまな力量が問われるのです。
お題の難しさに苦戦
毎回そうなのですが、与えられたテーマにどう立ち向かいどのようなストーリーを考えるかは思案のしどころです。なんとなくどのチームも難しそうな感じでした。
それでもチームメイトで議論するのに外の芝生に行ったり、近くのカフェに行く姿も見受けられ、少しまだ余裕があるようです。
夜になり各チームにも疲れが見え始めます。一度ドミトリーに戻ってシャワーでリフレッシュする者、仮眠する者も出てきました。
教員向けセミナーも同時開催
今年は教員むけのセミナーがコンテストの期間中に開催されました。iClone7の新機能やPrevisに関してのセミナーが行われました。
そしてコンテスト終了
最後は時間と体力との闘いです。廊下のベンチで倒れ込む人も見受けられました。そして疲労の絶頂でコンテストは終了しました。
審査、そして結果発表
昼食をとり、審査結果の発表まで2,3時間あります。みんな疲労で食事もそこそこにドミトリーに戻り、荷物を持って戻ってきました。
いよいよ結果発表です。入賞チームが審査員によって読み上げられます。入賞者の喜びの声が会場に響きます。
残念ながら我々の入賞は果たせませんでした。日本勢ではトライデントのチームがBEST DIRECTOR 賞を取りました。おめでとうございます。
他国の思想や倫理観に脱帽
4年連続この本選大会に出場した経験から言えることは、日本以外のアジア諸国の大学生たちが日本とは違う思想や倫理観をもっていると思えることです。それが昨年くらいの本選から顕著に表れているような気がします。他のアジアの諸外国は日本に比べて経済状況も生活環境も決して豊かではないかもしれませんが、その根底にある思想や倫理観、宗教観など日本や日本人が置き忘れてしまったものかもしれません。
【ASIAGRAPH Reallusion Award2016入賞者】
BEST FILM
北京電影学院 Beijing Film Academy、中国
BEST CREATIVE
KOLEJ KEMAHIRAN TINGGI MARA、マレーシア
BEST DIRECTOR
トライデントコンピュータ専門学校、日本
BEST TECHNIQUE
National Yunlin University of Science and Technology、台湾
OUTSTANDING WORKS
Yuan Ze University、台湾
Reallusion Award2016 Winner
http://www.reallusion.com/event/16-Asiagraph/award.html?id=college3D